はじめて看板を設置しようと考えている方は、看板の材料や工程ごとの価格が分かると、どのくらい資金を準備すれば良いか把握できます。看板製作における価格は、工程・素材・デザイン・業者ごとに価格が異なるため、自分の予算に合わせていくつかの業者から見積もりを取るようにしましょう。
そこで、今回は看板設置までの工程をご紹介するとともに、看板の素材ごとの相場や適正価格を見極めるポイントを解説します。これから看板設置をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
看板制作の工程ごとにかかる価格
看板制作にかかる費用は、いくつかの工程ごとに分解されます。具体的には、①看板面の原稿にかかる費用、②看板制作にかかる費用、③取付・設置にかかる費用の3種類に分解されます。
①看板面の原稿にかかる費用については、原稿に用いるカラーの数に応じて価格が変わります。単一色は色数が少なければ価格は安く済みます。逆に、沢山のカラーを使った複雑な原稿にしたい場合は、通常の看板よりも価格は高くなります。目立った看板を作るためなら、多少カラーの数が増えても良いと考えている方は、その分の予算を見込んでおきましょう。
次に、②看板制作にかかる費用制作についてですが、3つの工程の中で最も費用がかかります。具体的には、設置しようと考えている看板のサイズ、剛性や重量に応じた骨格、耐久性に応じた素材によって各パーツの価格が異なります。できるだけ長持ちして、メンテナンスの手間を省きたい頑丈な看板を作りたい!という方は、骨格が腐食することなく、雨風に強い素材を使った看板になります。価格は高くなるものの、台風や強い雨風にさらされても強い看板になりますので、どこに取り付ける看板か?も加味しながら検討しましょう。
③取付・設置にかかる費用については、看板の設置場所などが費用に関係してきます。例えば高所に設置する場合は、落下の危険を防止するため、特別な機材を用意や器具を用いて看板を取り付けることになります。看板は目立ってこそ、自分のお店をアピールできますが、まずは安全な場所でしっかり見える看板にすることが第一です。
看板素材ごとの価格
看板素材ごとの相場に関しては、制作会社によってある程度必用な価格が示されています。ここでは、一般的な看板に用いられる素材の組み合わせごとに、看板制作の相場を見ていきましょう。
※看板の大きさや設置場所に応じて価格は大幅に変わります。
※あくまでも一般的な相場のため、看板業者が扱う素材の価格を保証するものではありません。
アルミ枠看板+スポットライトの場合
アルミ枠看板+スポットライトの場合は、お店の顔として目を引く場所に設置することを目的とした看板になります。看板自体は発光しないため、スポットライトを設置することによって夜間に看板を見ることが可能になります。
アルミ枠看板、カラーIJ出力にUVラミネート加工を付け、スポットライトを設置する内容で大体16万円が基準価格になります。あとは、設置主様の希望に応じた看板の大きさ、ライトの数、設置場所に応じて価格は高くなります。
カルプ立体文字看板+LEDスポットライトの場合
カルプ立体文字看板は、立体的な文字で店名などを強調したいときに用いる看板です。こちらの看板も自ら発光しないため、夜間でも視認できるようにスポットライトを設置する必要があります。
カルプ立体文字看板の相場はアルミ枠看板よりも安価であり、8万円前後から設置することができます。後は、設置する看板の場所や大きさに応じて高くなります。
プレート看板の場合
プレート看板は、照明を当てずにアルミ複合版などを壁に取り付ける看板を指します。看板自ら発光するわけではありませんが、看板の周囲に光源が沢山ある都市部など、光を十分に受けられる場所であればプレート看板は安価で便利です。プレート看板の価格相場は4万円からとなっているため、看板業者に依頼するものとしては、最も手軽に設置依頼できます。
アルミ枠看板+スポットライト取付+ウィンドウサインの場合
アルミ枠看板にガラス部分の装飾も施した場合、お店の入り口に統一感が生まれ、歩行者の目を引くほか、内側からの目隠しとして機能してくれる便利な看板です。
通常のアルミ枠看板にガラス面の装飾も含めて、価格相場は約18万円からとなっています。通常の看板よりも料金は高くなりますが、店の前を明るく際立たせつつ、店内のお客様が外の様子を気にせずに利用できるメリットあります。尚、設置場所が高所の場合、看板をしっかり固定し落下しないようにするための器具などが必要になります。
看板の適正価格を見極め方
看板は長期間利用することで潜在的な来客数増加を期待できることから、単なる商品の購入というだけでなく、投資としての側面を持ちます。看板を依頼する際にはこのことを含め、投資対効果をシミュレーションしてみましょう。
具体的には、「投資額」を「看板設置による利益」で割ったときの数字が1より小さければ、投じた費用が1年以内に回収可能であることがわかります。看板は長期間設置されることが多いため、この回収までの年数が3年以内であれば投資する価値はあるということです。
例えば、「看板設置による利益」は、見込単価に年間顧客獲得数を乗じることで算出します。「投資額」が30万円で、「看板設置による利益」が25万円であった場合、30万円÷25万円で、投資回収までにかかる年数は1.2年となります。この結果、25万円の看板への投資費用は1年経てば回収でき、合理性のある投資であることが確認できます。
このように、投資の合理性を判断するには、看板設置によりどの程度お客様の来客が増えるかを想定し、それを前提に費用の回収年数を算出する必要があります。お店の立地条件やお店の業務形態、看板の設置場所などによって来客が増加する割合は変動するので、看板業者にこれらの条件からどの程度来客が見込めるのか、あらかじめ教えてもらうと良いでしょう。
まとめ
これまでご紹介してきたように、看板は素材やその組み合わせによって価格相場がいくつかあることが分かりました。また、業者から提示された見積もり額が適正であるかどうかを見極めるには、今回触れたシミュレーションを行ってみるなど、看板設置の投資的な側面にも着目しましょう。
看板は長期間にわたってお店の名前やサービス内容を歩行者に伝える「顔」です。設置を考える際には、デザインや設置場所だけでなく設置による投資対効果のパターンをいくつか用意しておきましょう。