看板設置の目的は集客であることを理解していながら、効果的に看板を活用できていない例は少なくありません。看板に書いたメッセージは、戦略的に設置しなければ消費者には届きません。
お店に来店する消費者のうち4割近くもの割合の方が「飛び込みで」お気に入りの店を発見しています。そして「飛び込み」客をお店に呼び込めるかどうかの大きな決め手の一つとなるのが看板です。
今回は、顧客を呼び込むための看板戦略について解説します。分かりやすくイメージしていただくために3つのステップにわけて解説しています。
ステップ①お店を知ってもらう
まずはお店の存在を知ってもらうことです。看板の種類によって設置場所や細かな目的は異なりますが、顧客からお店の存在を知ってもらわないことには集客を増やすことはできません。
目立つ看板を設置すること
ファサード看板にせよタワーサインにせよ、看板にとって重要なことは遠くからでもはっきり認識してもらえることです。そのためには、周辺の看板や他店の看板に同化しないこと、適度な文字の大きさやカラー、設置場所など看板そのものを目立たせることが大事です。
さらに、照明付きの看板を設置すると夜間でも看板や店舗を目立たせることができます。
誘導 / 事前告知
お店から離れたところに設置する野立て看板は、来店してもらう率を高めるために誘導あるいは事前告知の役割を持っています。
お店(もしくは駐車場)への的確な道案内をすることで、お客にストレスなく来店してもらえるようにするのが誘導です。略地図や「次の交差点を左折」など、瞬時に道筋がイメージできるようにすると効果的です。
誘導と似ていますが、「1キロ直進!赤い看板が目印です」などの離れた位置からお店の存在を知らせるのが事前告知です。事前告知には商圏を広げる効果も期待できます。
看板のメモリーインプット効果(すりこみ効果)
顧客が繰り返し同じ看板を目にすることで、顧客の頭の中に無意識のうちにお店の情報がインプットされます。これをメモリーインプット効果(すりこみ効果)といいます。
野立て看板とファサード看板(店舗の出入り口の上につけるメインの看板)、タワーサイン(車道や歩道沿いに設置する大型の縦長看板)など複数の看板でアピールすることでインプット効果は高まります。さらに、チラシやDMなどを組み合わせることで、地域の方々にしっかりと認知してもらえるお店になります。
ステップ②お店のことを理解してもらう
お店の存在を理解してもらったら、次はお店のサービス・商品や特徴、強みなどを理解してもらうように働きかけましょう。歩行者がお店のことが気になってふと立ち止まってしまうような仕掛けを用意しましょう。
お店の業態や特徴を具体的に記載する
お店のことを理解してもらうには、業態や特徴を明確に記載することで、お店のニーズにマッチした顧客が来店してくれます。例えば、同じラーメン店でも、「こってり」「あっさり」、「太麺」「細麺」、「とんこつ」「しょうゆ」「魚介系スープ」などお店によって特徴は大きく異なります。
看板を見た人が、どのようなお店なのかを具体的にイメージできることが重要です。他に、看板のカラーリングやデザインなどで高級路線なのか低価格路線なのかなどの特徴を伝えることもできます。
簡潔なキャッチコピーを記載する
お店の強みや特徴はキャッチコピーで簡潔に記載しましょう。
- 「おいしいブランド米を使用」→「新潟県産コシヒカリ使用!」
- 「完成が早い」→「20分仕上げ!」
以上のように、他店との特徴やメリットの違いが際立つようなキャッチフレーズがあると独自の強みを主張できます。
ステップ③その気にさせる
ステップの3つ目は顧客に来店したいと思わせるしかけを施すことです。ポイントは、あまり売込みにならない程度にさりげなくアピールすることです。具体的な方法としては、以下の戦略を取ることができます。
消費者の欲求を刺激するワードを使ってキャッチコピーをパワーアップさせる
ステップ2で考えた簡潔なキャッチコピーに顧客の欲求を刺激するキーワードを使用することで、ダイレクトに顧客のニーズにアプローチできます。
「契約農家直送!ふっくら炊き上げ新潟県産コシヒカリ使用!」
「特急20分仕上げ」
イメージに訴えかけるキーワードを使用することで、「おいしい」「速い」「高品質」などのキーワードよりもさりげなくアピールできています。
イベントや特典を案内
看板にイベントや特典などを用意することで特別感をアピールすることもできます。QRコードなどを活用すれば、イベントの内容を季節ごとに変更したり、特典内容を曜日ごとに変更したりすることができます。
まとめ
①お店を知ってもらう、②お店を理解してもらう、③その気にさせるのステップで考えれば、集客につながる効果的な看板を作成・設置することができます。
看板制作は戦略的におこなうか否かで成果が大きく変わってきます。一人でも多くの集客を呼び込むために、今回紹介した手法をぜひ看板制作に役立ててください。